主の2014年を迎えました。あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願 いいたします。昨年は宣教50周年の年として諸行事を執り行ってまいりました。一つ一つ守ら れ祝福のうちに終えることができました。こうして教会は50年の歩みを終えて、新たな時代 に向かってこれから更に前進してまいります。

　原状回復、一からの再出発

　聖書には、神がお定めになった「50年」という一つの大きな節目とする出来事が記されて います。それは「ヨベルの年」と呼ばれる年のことです。イスラエルの民がエジプトから救 い出されてカナンの地に入った年から、50年毎に守るようにと命じられた記念の年です。こ の50年目の年には、作物を作らず畑を休ませ、売買された土地は元の所有者に戻され、そし て奴隷たちは解放されたのです。それは全てのことが元の状態に戻される原状回復を意味す るものでした。ヨベルの年は、元の状態の前に戻すという意味があり、一からの再出発を意 味するものでした。全てを新しくしてくださる主が、50年の区切りの年をもって全てを新た にしてくださったのです。私たちの教会は50周年を経て新しい時代に向かって前進しようと していますが、ヨベルの年を経た後のイスラエルのように、一から歩み始める年を迎えたと 受け留めて、もう一度主の教会としての原点に立ち戻り、新たに歩み出したいと思います。

　福音宣教と教会形成

　さて、ヨベルの年には原状回復の意味と共に、罪と滅びからの救いの恵み、つまり罪の力 にとらわれている人間が救い主なるお方によって罪の力と滅びから解放されて回復されると いう救いの恵みを予め示すという意味もありました。コリント人への手紙第�U､5章17節には 「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去 って、見よ、すべてが新しくなりました。」と記されています。このイエス・キリストにあ る救いの恵み、全てを新しくしてくださるという恵みをあらかじめ示していたのです。です から50年を経た後の歩みは、この救いの恵みをいただいた歩みとして始められるものでした。 そしてこの救いの恵みを味わい感謝すると共に、この恵みを宣べ伝える歩みでもあるのです。 詩篇96篇1〜2節には「新しい歌を主に歌え。全地よ。主に歌え。主に歌え。御名をほめたた えよ。日から日へと、御救いの良い知らせを告げよ。主の栄光を国々の中で語り告げよ。」 と書かれていますが、主の教会としての原点は福音の宣教であり、教会の形成です。福音を 広く宣べ伝え、主をかしらとした教会を建て上げることをひたすら目指すものでありたいと 思います。

　主への信頼と祝福

　私たちは原点に立ち返って新たに歩みを始めようとしています。そのために主への信頼が 必要であることを、詩篇115篇のみことばから覚えたいと思います。1節に「私たちにではな く、主よ、私たちにではなく、あなたの恵みとまことのために、栄光を、ただあなたの御名 にのみ帰してください。」と詩篇の記者は祈っています。栄光を主に帰する、これが教会の 原点です。人があがめられ、人が尊ばれる時に、教会のあるべき姿が失われます。常に神が ほめたたえられる、それが教会です。「私たちの神は、天におられ、その望むところをこと ごとく行われる。」と私たちは告白し、信仰によって堅く立つのです。栄光は主に帰するべ きです。主は救い出してくださったご自分の民をお忘れにはならず、御心に留めて祝福して くださるのです。「主は祝福してくださる。イスラエルの家を祝福し、アロンの家を祝福し、 主を恐れる者を祝福してくださる。小さな者も、大いなる者も。」とあるように、信仰の原 点である主なる神への絶対的な信頼から祝福へとつながることが、ここに約束されているの です。その祝福について、14節には「ふやしてくださる」、「あなたがたと、あなたがたの 子孫とを」と、主を信じる民が増し加えられること、私たちの子どもたちの中からも信仰に 生きる者たちが起されることがこのように約束されているのです。

　私たちはこの主からの祝福を信じ待ち望みつつ前進したいと思います。まず現状回復です。 宣教と教会形成の使命を確認し、栄光を主にのみ帰することを心掛けたいと思います。詩篇 の記者が最後の18節に「しかし、私たちは、今よりとこしえまで、主をほめたたえよう。ハ レルヤ。」と記しているように、主をほめたたえ、主を讃美して新しく歩み始めたいと思い ます。