主の2015年を迎えました。私たちはこの年も変わることのない神のみことばに養われつつ歩みたいと思います。 みことばの光の通読箇所、詩篇73篇をお開きしたいと思います。

アサフの証しに耳を傾けよう
　今日のみことばの光の解説に『この詩篇は、信仰が揺さぶられるという経験の率直な告白 であり、また、自分の内面に主が深く働き、助け出してくださったというアサフの個人的な 証しである』と書かれています。この詩篇の作者であるアサフは、ダビデ時代の音楽家とし て有名です。アサフは信仰の試練を経験しました。しかし聖所に赴いた時に信仰の回復を得 たのです。その勝利の歌がここに記されています。心のきよい者に神はいつくしみ深くあら れると知ったのです。
　「まことに神は、イスラエルに、心のきよい人たちに、いつくしみ深い。しかし、私 自身は、この足がたわみそうで、私の歩みは、すべるばかりだった。」(1-2)
しかしその信仰に至るまでに、悪人が繁栄する姿に心を乱されたと、正直に告白してい ます。
　確かに、この世では富み栄える者が益々豊かに、そして高慢になるという現実があります 。神を礼拝し真摯に歩んできた自分がみじめに感じられるような時が、私たちにもあるの ではないでしょうか。そういう中にあり、そういう時代を迎えているからこそ、私たちは不 信仰にならないために、つまずきから立ち直ったこのアサフの証しに耳を傾けなければなら ないのではないでしょうか。

信仰に立ち返ったアサフ
　アサフの信仰は揺らいだのですが、不信仰から立ち直ったのです。アサフが信仰に立ち返 れたのは何故でしょう。
　第一に､それは主の御前に近づいたからです。
「私は、これを知ろうと思い巡らしたが、それは、私の目には、苦役であった。私は、神の 聖所に入り、ついに、彼らの最後を悟った。」(16-17)
不信仰は主のもとにあって解決されるのです。世に対する勝利は、神の御前に近づく時に 与えられるのです。
　第二に､彼は最終的な神のみわざを信じたので立ち返れたのです。
「まことに、あなたは彼らをすべりやすい所に置き、彼らを滅びに突き落とされます。ま ことに、彼らは、またたくまに滅ぼされ、突然の恐怖で滅ぼし尽くされましょう。目ざめの夢 のように、主よ、あなたは、奮い立つとき、彼らの姿をさげすまれましょう。」(18-20)
神が介入されるなら一瞬にして全能の御手のわざがなされるのだとの信仰が与えられたの です。アサフは悔い改めました(20-21)。この霊的な方向転換､悔い改めこそが不信仰に対する 勝利の否決なのです。
　第三に､主ご自身が彼とともにいてくださったので、立ち返ることができたのです。
「しかし私は絶えずあなたとともにいました。あなたは私の右の手をしっかりつかまえられ ました。あなたは、私をさとして導き、後には栄光のうちに受け入れてくださいましょう。天で は、あなたのほかに、だれを持つことができましょう。地上では、あなたのほかに私はだれをも 望みません。この身とこの心とは尽き果てましょう。しかし神はとこしえに私の心の岩、私の分 の土地です。」(23-26)
自分は愚かでわきまえのない者だったが、それでも神は私とともにいてくださったと告白してい ます。彼が主とともにいたというのでなく主が絶えずともにいてくださったということをアサフ は知ったということです。ともにいます神、そのお方のものとされた自分自身をはっきりと確認 し、アサフはその祝福を喜び感謝したのです。

神なる主は私の避け所
　こうしてアサフは不信仰な思いから解放され、この世の不条理にも神の介入があることを信じて 平安を回復しました。神への信頼を得たアサフは、このお方を避け所として歩むと、信仰の告白 を明確に告げています｡
「それゆえ、見よ。あなたから遠く離れている者は滅びます。あなたはあなたに不誠実な者 をみな滅ぼされます。しかし私にとっては、神の近くにいることが、しあわせなのです。私は、 神なる主を私の避け所とし、あなたのすべてのみわざを語り告げましょう。」(27-28)
「あなたから遠く離れている者は滅びます。」とアサフが言うように、この世では栄えているよ うでも、主なる神から離れている者には滅びが待っているのです。そういう者は、今は栄えてい るようであっても、やがて滅ぼされるのです。「神の近くにいることが、しあわせ」とアサフは 告白しました。この信仰に私たちも立たせていただきたいと思います。神の近くに歩み、「神な る主を私の避け所」として歩ませていただくのです。神は私たちをあらゆる危険から保護してく さるお方であると信じて神に近づき信頼を置くことです。神の近くに歩むなら、神は困難の中で もすぐに見出せる助けとなってくださいます。

　「神の近くにいることが、しあわせ」と告白して平安を得、この危機の時代にも恐れず力強く歩 ませていただきたいと思います。アサフはただ平安を得たというだけでなく、「あなたのすべて のみわざを語り告げましょう。」と使命に生きる決意を語っています。ただ自分だけが避け所を もって平安に過ごすのではなく、その恵みを語り告げるべきでしょう。この年の歩みにおいて、 更に恵みの証しのために一歩踏み出すことができるよう、主の御力を求めて祈りたいと思います。