「イエスは神の栄光の輝き」　〜伝道礼拝メッセージから〜

　神の素晴らしさ、すぐれていること、完全であるということ、つまり神の栄光は、私たちの歩 みの中に神がなさってくださったみわざによってだけでなく、 神が創造された自然界を通しても 知らされています。春を迎えて、各地で咲き誇る花々が、創造者の偉大さと素晴らしさを私たち に教え示してくれます。旧約聖書の詩篇19篇１節に「天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわ ざを告げ知らせる」というみことばが書かれています。私たちは、木漏れ日の中で、神の威光と 尊厳を覚え、その現れである自然界の美観と景観に浸って、神の恵みのうちにある幸福感を味わ うことができるのです。自然の中に神の栄光が現されているからです。

　また、 神の栄光はイエス・キリストを通しても現されています。 ヨハネの福音書９章６節に「 彼が盲目に生まれついたのは…この人が罪を犯したのでもなく、両親でもありません。神のわ ざがこの人に現れるためです」というイエス・キリストのみことばが書かれています。生まれ た時から目が不自由だった人について語られたこのみことばを通して、イエス・キリストを真 の神と信じた人が多くいます。神の素晴らしさ、神の栄光が現れるためだとイエスは言われ、 目の不自由だった人をおいやしになったのです。生まれた時から盲目だった人の目を開かれると いういやしは、全能者である神にしかできないみわざです。 その神のすぐれて偉大な力が、 イエ ス・キリストによって現されたのです。

　キリストの十字架とよみがえりの証人であるペテロは、ペテロの手紙第�T、１章21節に、「キ リストをよみがえらせて彼に栄光を与えられた神」と記しています。死からよみがえられた、 それこそ私たちの永遠のいのちの保証であり、そこに神の素晴らしさが、神が尊くすぐれたお方 であることが、輝いているのです。また新約聖書のテモテへの手紙第�T、３章16節には、神はイ エスを栄光のうちに天に上げられたと書かれていて、イエスの昇天を通して栄光が現されたと言 っています。更に、キリストが神としての栄光を完全に現されるのは、終わりの日に再び世に降 られる時であると記されています。 マルコの福音書 8章38節に「人の子も、 父の栄光を帯びて聖 なる御使いたちとともに来るとき」とイエス・キリストご自身が語っておられます。このように、 みことばはイエス・キリストのご生涯の全てにおいて、神の栄光が現されていると教えています。 イエスをよく知るならば、そこに神の栄光を見出すことができるのです。

　自然界を通して、またイエス・キリストによって、神の栄光を見つつ歩み、神の素晴らしさをほ めたたえて歩む、それが私たちの本来あるべき姿なのです。

「世の罪を取り除くキリスト」　〜伝道礼拝メッセージから〜

　私たちは、 人を他の人に紹介するということがあります。 新約聖書のヨハネの福音書にも、バプ テスマのヨハネという人がイエス・キリストを自分の弟子たちに紹介したことが記されています。 ヨハネはイエス・キリストを紹介して、「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」と言ったと書かれて います。つまり、イエスが 「世の罪」について関わってくださるお方であると紹介したのです。 ヨ ハネの福音書において「世」という言葉は『神に敵対し悪の力の支配下にある領域』という意味で す。この世は人間の罪の性質が現れているところだということを意味しています。この世は、悪の 力に支配されて罪があらわになっているところなのです。イエス・キリストは、そのような「世の 罪」に関わってくださるとヨハネは証言しているのです。また「世の罪を取り除く」お方だと語っ ています。人は犯した罪を自ら取り除くことはできません。償っても、 赦してもらっても、 罪を犯 したという事実は残ります。取り除くことができません。しかし、イエス・キリストはその「罪を 取り除く」お方だと紹介しています。「取り除く」とは、場所を移動すると意味の言葉で、まるで、 津波や大水が人や街を完全にさらってしまうというような、そういう状況を表す言葉なのです。

　この言葉をイスラエルの人々が聞いた時に、 すぐに連想したのは、 旧約聖書のレビ記に記されて いる「罪のためのいけにえ」としての小羊のことだったと思われます。旧約聖書の時代のイスラエ ルでは、神殿で人々の罪をあがなうために、 小羊のいけにえがささげられていました。「小羊」 は、 「罪を贖うもの」だったのです。罪深い人間が自分自身の代わりに羊や牛などを殺して神にささげ ることによって、人間の罪の代価をその動物に支払わせることで赦しを得るということがなされて おりました。ヨハネは、イエスは「罪のためのいけにえ」の「神の小羊」だということを明確にし て、イエス・キリストを紹介したのです。「罪」という言葉は単数形で書かれています。それは、 具体的な一つ一つの行為としての罪ではなく、 私たちの罪深い状態そのものを指し示して、 その全 てが取り除かれると語っているのです。イエス・キリストの救いが完全であることを教えているの です。